最新のお知らせ パートナー 2019.12.02

【パートナーインタビュー記事】大切なのは会社と働く人のコンセンサス。「人事屋」が目指す本質的な働き方改革とは?

勤怠管理システム導入から人事制度コンサルティングまで、人事業務に特化して様々な角度から企業のサポートを行う株式会社ミナジン。

人材派遣会社から始まったからこそ気づいた、会社と働く人の本質的な関係のあり方とは?

株式会社ミナジン

コンプライアンスに強い勤怠管理システム「MINAGINE就業管理」や、給与計算をアウトソーシングで請け負う「給与計算アウトソーシング」、人事評価をコンサルティングとシステムの両面からサポートする「みんなの人事評価」などを展開。中小企業の様々な人事業務をサポートする人事業務のプロフェッショナル。

現在は、人事業務サービスを運用する株式会社ミナジン、労務顧問サービスを行う社労士法人ミナジン、人材サービスの株式会社ミナジンキャリアの3社体制でサービスを展開。

▲今回お話を伺ったのは、 取締役 経営戦略本部長 野崎友邦氏

■中小企業の最強のサポーター「人事屋」とは?

ー人事業務に特化したサービスやコンサルをされていますが、人材派遣サービスから人事業務サービスになるまでにはどんな経緯があったのですか?

現在のサービスを構想し始めた10年前、人材派遣業界は伸びていました。しかし、健全な成長ではないと感じていました。

例えば、現場では、派遣した人が初日から来なかったり、短期で相談なく急に辞めてしまったり、逆に派遣先から突然解雇を告げられたり、頻繁に問題が起こっていました。

「なんでこんな問題が起こるのかな?」とシンプルな疑問が頭に浮かび、「どうせ派遣の契約だから」という、派遣社員も雇用主もお互いマイナスな思い込みがある、と感じたんです。

"自分が急にいなくなったら困る人がいる"というシンプルなことを派遣社員の人たちも感じられない状況にある。だからこんな問題が起こってしまうのだろうなという思いに至りました。

派遣という新しい「間接雇用」が急に拡大し、働く側も雇う側も意識や考え方が追いついてなかったとも言えると思います。

不景気時に解雇できない正社員を雇うリスクを避け、契約期間の決まっている派遣社員を間接雇用で雇うのに、会社側が派遣社員に求めるコミットレベルは従来の正社員と同じ。そして、なにかにつけ「だから派遣はダメだ」と言う。

雇われている派遣社員も、仕事上のコミットが弱いのに給料が上がらないと不満を言い、仕事に対しての気持ちも薄れていく。お互いにとって都合が良いようにしか考えられず、不満の連鎖が生まれていました。
このように、雇用関係が「間接化」されることで、働く人と会社が分断され、両者の間に圧倒的にコンセンサスが不足しているという問題に行き着きました。

このような状況を作ってしまうのは、人材派遣業界全体の問題かなと思っていました。結果としてであっても、労使の対立や溝を拡大するような考え方やサービスは本質的じゃない、と思ったんです。

また同時に、派遣社員は増えたとはいえ全労働人口の5%くらいしかおらず、もっと多くの働く人にとって役に立つ仕事がしたいという想いがありました。そして、先ほど述べた派遣の問題は、終身雇用・年功序列といった社会全体の規模で共有されたコンセンサスが崩れ、日本の労働市場・労働環境が大きく変化する過渡期に起きる「軋み」の様なもの。それが、より大きな問題の一部であると思うようになりました。そこで、派遣だけでなく、正社員も含めた働き手全体にとってより良い労働環境を提供するために「人事部サービス」を展開し始めたのが今の事業に至るきっかけです。

ー今は中小企業のサポートに特化されていますが、なぜ中小企業にフォーカスしたのでしょうか?

中小企業の多くは「人事部」がありませんよね。

それは構造的に仕方がなく、会社が小さい時は営業とか開発や製造に重点的に人を置いていくので、コスト的にも管理部門の充実は後回しになる。部長も経理がバックグラウンドの人がほとんどで、人事業務を行う人を十分に置いている会社が少ないんです。

しかし、中小企業も人事は絶対必要で、給与計算や勤怠管理は必ず発生する業務ですし、本当は人事評価制度もあったほうがいい。しかし、一人雇うとコストがかかるので、必要な部分だけ我々が人事労務のサポートをすることに価値があると思い、中小企業にフォーカスしました。

ーミナジンさんのサービスは、すべての人にとって働きやすい環境を作ること目標に『従業員が安心して働ける仕組みづくり』『会社の成長を加速させる仕組みづくり』の二つの土台を元にサービスを展開されていますね。

まず、『従業員が安心して働ける仕組みづくり』を実現する、勤怠管理システムや給与計算について、印象的だった事例はありますか?

導入していただいた企業様が、数年後に上場するという事例が多く出てきたことです。

上場するためにはコンプライアンスが重要視されますので、勤怠管理を徹底的にし、未払賃金等の問題が発生しないよう仕組み作りを行う必要があります。

そのため、弊社システムを導入し勤怠管理が整備されたことで、コンプライアンスが遵守出来るようになり、導入数年後には上場される、という企業様が自然と増えていきました。

ー勤怠管理を徹底することが、上場という企業としての成長につながっていくのは素晴らしいですね!

はい。

勤怠管理を徹底した先に上場を考える企業様もいますし、一方で、上場したい会社様が社内勤怠管理を改善するときに、多様な働き方に対応できる弊社のシステムを選んで下さることも多いんです。

企業毎に就業ルールも多種多様なので、会社の理想の形に応じた要望をいただき、応えていくうちに、多様な事例に対応できるようになりました。

システム導入の依頼を受けてみると、業務の量が多くて大変になるのは、会社の就労ルールが複雑だったり、整理されてなかったり、イレギュラーなことが多いのが原因だと気づいたんです。

そのため、単に複雑になった業務を今のまま効率化をするのではなく、そもそもの就業ルールの設計見直しからお客様と一緒に行なっていきました。

なので、私たちは日々の出退勤を記録する勤怠管理だけでなく、多様な働き方のニーズをヒアリングし企業の目指す働き方にあった就業ルールの整備までサポートする「就業管理」を行っているんです。

ーシステムの導入だけでなく、就業ルールから一緒に見直してくれるというのは、企業にとって嬉しいですね。

導入後、就業管理が整備された結果、働く方々の意識に変化はありましたか?

コンプライアンス遵守や残業時間のことを気にするのは人事の人間だけで、社員は「コンプライアンスや残業時間の規定を守りましょう」と言われてもあまりピンときていないということはよくあるんです。

しかし、システムを導入するタイミングで、全社的に労働時間や休暇取得に対する意識変革を促すことしているユーザー企業では、皆が働いている時間が見えるようになり、上司と部下のコミュニケーションも取りやすくなって、自分の労働時間を規定内に収めていこうという意識になった、という事例も増えています。

普段から、単純に人事の業務効率化をするだけでなく、働く人の意識も変えていかないといけない、と思っているので、そういった事例を聞いたときは嬉しかったですね。

結局人事だけ頑張っても残業は減らないので、社員を巻き込んでいかないといけない。だからこそ、システムを導入する事をきっかけに社員と人事がコミュニケーションを取れるのは、まさに弊社が理想とした形だと思っています。

ーでは、もう一つの土台、『会社の成長を加速させる仕組みづくり』について、人事コンサルティングを展開されていますが、どういった目的で依頼される企業様が多いのでしょうか?

中小企業はやはり大企業に比べると、「今の」給与や福利厚生が良いとは言えません。だからこそ、働いている人が自分の会社で「将来」を描けるか、が大事になってきます。

今後のビジョンを明確にして、社員の皆さんに「どうあってほしい、どういう人に来てほしい」というのを制度の形で示したいという目的で導入してくださっています。

例えば、昇格や賃金決定のルールが無かった会社では「どうすれば給与が上がるのか、昇格するのかわからない」と若手のキャリアパスが不明確でした。

そこで、人事評価制度を導入し、今後のキャリアが見えるように等級を設計。評価結果と賃金・昇格の決定を連動させ、どうすれば給与が上がるのか、昇格するのかを明確にしたことで徐々に、挑戦意欲を持てる組織風土へと変わっていきました。

今後も、成長する会社の、人と組織の変容にコミットし、社員の皆さんの望む未来を実現するサポートができたらと思っています。

■会社と働く人のコンセンサスを生み出す存在へ。

ーHPの事例などを拝見して、勤怠管理システムから人事コンサルティングまで、ミナジンさんはお客様の徹底的なサポートをされているな、と感じたのですがいかがでしょうか?

そうですね。最初は勤怠管理システムから始めて、アウトソーシングや社労士によるサポート、人事コンサルなどへと展開していきました。

それは、中小企業に勤怠管理システムを導入していく中で、システムだけ導入しても、人事労務はよくならないという現実があったからです。

HRテックのサービスは、純粋なIT企業が作っていることも多いですが、エンジニア中心の組織では、顧客が必要とするサポートが不足していることも多いのです。

例えば、導入して1年後にフレックス制度を採用すると決まった時に、システム側の変更をどうやったらいいのかわからない、と。そこに対して、FACE TO FACE でサポートすることで安心してシステムを利用していただき、働く人にとって良い制度が作れると思っています。

弊社のサービスを導入し、システムを入れて終わりではなく、何年もお付き合いする前提で、未来も見据えた提案もしていき、安心して働く環境作りのベースとなる就業管理をサポートしていきたいと思います。

ーでは、今後取り組みたいことはありますか?

システムの事業において、業務の効率化はもちろんのこと、具体的に残業を減らすなど、「システムを活用して実現したいこと」についてのサポートをサービス化していきたいです。例えば、システムを入れて可視化すれば残業が減っていくか?と言えば、そんな簡単な問題ではないので、カスタマーサクセスを念頭において、サービスとしてコミットして残業時間の減少を実現させたり、「サポート」の概念を変えていきたい、と思っています。

ー今後、働き方に関して、世の中にどんな影響を与えていきたいですか?

会社と働く人のコンセンサスを生み出していく存在になりたいと思っています。

会社と社員の間にお互いの合意があることは世間的な評価よりも大事で、極端な例ですが、ある人からブラック企業と言われる会社でも、その環境が自身を成長させていける、という人もいるわけです。もちろん逆もいます。働き方や就業ルールそのものの良し悪しだけを議論するのではなく、会社と働く人の間に長期的に継続可能な合意があるか、ということが大事なんです。

ミッション・ビジョン・バリューへの共感も一種の心理的な契約であり労使の合意ですよね。コンセンサスがあることが安心して働ける精神的な基盤になり、組織としてパフォーマンスを上げる基盤にもなると思っています。

今は色んな所で新しい働き方や斬新な制度が取り上げられて話題になっていて、働き方の選択肢が増えること自体はいいことだと思いますが、コンセンサスという面ではどうでしょうか?みんなそれぞれの価値観で好き勝手言っている感じもあります。

例えば終身雇用、年功序列は過去の遺物としてと言われますが、かつてはそこに、雇用・賃金の保証と会社へのロイヤリティの交換という強いコンセンサスがあったから長きにわたって機能したという点にもう少し注目してもいいのではないでしょうか。自社にリモートワークやフレックス制度を導入する場合も、そこに、会社と働く人とのどんなコンセンサスが必要か、考えてみることが大切だと思います。

古いか新しいか、時代が変わったとかいうのは本質的な問題ではありません。新しい取り組みがうまくいっている会社には、それを維持するための不断の努力のようなものがあるはずで、その先に会社と働く人の間の強いコンセンサスが生まれていくのではないでしょうか。

働き方改革の本質は働く人々にとって何が幸せか?を考えることではないか、と思います。

終身雇用や年功序列が社会的なモデルとして実質的に破綻して20年以上経っています。今は過渡期で、まだそれらに代わるようなコンセンサスに裏付けられたモデルがなく、世の中全体で試行錯誤している状態です。派遣ビジネスを始めたときに僕が感じた問題意識もそこにつながります。だからこそ、これから会社と働く人々とのコンセンサスを作っていくことに貢献できたら、と思っています。

ー最後に、at Will Workのパートナー企業でもあるミナジンさんですが、今後at Will Workに期待していることはありますか?

元々、ネットでは学べない働き方についての情報をリアルな場で得ることができると思い、at Will Workのパートナー会員になりました。

他のパートナー企業様と交流する中で、価値観に基づいた取り組みを試行錯誤しながら定着していく姿が勉強なり、励みになっています。

at Will Workの活動が引き続き、私たちのように働き方に特化したサービスを行う企業や、社内で積極的に働き方の取り組みを行う企業のハブとなっていくことを期待しています。