【開催レポート】企業カルチャー 〜データから見る"企業カルチャー発信"の実態とこれから〜
2021年7月9日にat Will Work主催のオンラインセミナー 『企業カルチャー 〜データから見る"企業カルチャー発信"の実態とこれから〜』を配信しました。
2021年度は、様々なゲストをお迎えし、隔月でオンラインセミナーを開催いたします。
Vol.2は「企業カルチャー」をテーマに開催。6月に「企業カルチャーに関する調査」を発表された株式会社PR TableでPublic Relationsを担当されている久保 圭太 氏をゲストにお迎えし調査の内容について伺いました。
また、LINE株式会社 People Partner室 People Experience Designer 青田 努 氏と、at Will Work理事の日比谷 尚武、久保氏の3名で、企業のカルチャー浸透の背景、浸透戦略の目的や課題感について、調査データを交えながらトークセッションを行いました。
▼参考:企業カルチャーに関する意識・実態調査2021
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000059284.html
▼本セミナーのアーカイブ動画はこちら
https://youtu.be/yt906J8MF3M
「企業カルチャーに関する調査」について
株式会社PR Table Public Relations 久保 圭太 氏
久保氏は、株式会社PR TableでPublic Relationsをご担当されています。
セミナー前半は、株式会社PR Tableが発表した「企業カルチャーに関する意識・実態調査2021」の内容をご紹介いただきました。
・企業カルチャー醸成に関する取り組みの実態、課題について
まず、カルチャー醸成の実態について。
「企業カルチャー醸成の取り組みを行なっているか」という質問に対して、約37%の企業が「カルチャー浸透を行なっている」ものの、順調と回答する割合は全体で約1割程度に留まりました。
浸透のための取り組みとしては「社内への企業カルチャー発信」が一番多く挙げられ、従業員規模が大きくなるにつれ、カルチャー浸透に取り組む割合が高いことが明らかになりました。
また、カルチャー醸成が上手くいかない理由として「従業員が自分ごと化できていない」という理由が多く挙げられました。
・企業カルチャー発信に関する取り組みの実態、課題について
「カルチャー発信」に関しては、発信内容として「自社の取り組み」を発信していきたいという企業が多くを占めました。
一方で発信の難しさとして、「企画の難しさ」「ノウハウの不足」「継続した発信、活用」が壁となっていることが明らかとなりました。
・社会のテーマと企業カルチャーとの相関性について
「職場の課題と企業カルチャーに相関はあると思うか?」という問いに関しては、「従業員の働きがい向上」、次いで「働き方改革の推進」に相関があるという回答が多く得られました。
これらのデータから、企業は企業カルチャーの醸成に力を入れていきたいが、カルチャー浸透や発信に関する課題が多くあるという現状が見えてきました。
トークセッション
トークセッションでは、LINE株式会社の青田氏、理事の日比谷を交えて大きく3つの議題について議論しました。
・企業カルチャーの醸成がなぜ「働きがい」につながるのか?
まず、「企業カルチャーの醸成がなぜ「働きがい」につながるのか?」について。それぞれの考えを述べていただきました。
久保氏「企業カルチャーを社員が体現することで、周りから承認をされ、結果的にエンゲージメントが上がり働きがいにつながるという因果関係があると思います。」
青田氏「カルチャーは会社の性格のようなものなので、自分たちの会社がどんな性格であろうとしているかを知るということで愛着が湧いたりエンゲージメントの向上につながるのだろうと思います。」
さらに青田氏はカルチャー発信について、他にもこのような課題があると述べます。
青田氏「カルチャー発信は企業にとって、重要ですが緊急性は低くされてしまいがちなものです。そこに対して経営陣が意思を持って動けるかが重要だと思います。
また、カルチャー浸透に関して、現場の社員たちがやらされている感にならないように働きかけるそのバランスが難しいですね。
あくまでもベースとなる仕組みなどを考えて整えるのがコーポレートスタッフ、カルチャー浸透の熱を高めるのは現場の社員たちという形になることが大切です。」
・カルチャーを数値化することはできるのか?
次に、「カルチャーを数値化することはできるのか?」という議題について。
数値化の前にまず、カルチャーが浸透しているとはどういうことか?を定義する必要があると青田氏は述べます。
青田氏「カルチャーはその人から滲み出てくる空気のようなものなので、それ自体は直接的にマネジメントはできません。一方で、『その会社らしい行動をしているか?』ということをマネジメント及び計測することは可能です。従業員一人ひとりの行動や判断がバリューに則ったものになるように促し、バリューを一人ひとりに浸透させていくことでカルチャーは耕されていくものだと思います。」
また、青田氏の話から、久保氏は行動を可視化することでカルチャーを逆に言語化することもできると述べます。
久保氏「バリューやカルチャーがわからないという企業は、逆にその会社で活躍している人の行動を可視化することでカルチャーが見えてくるパターンもあります。」
・カルチャーを体現している企業の実践事例
最後に、両氏にそれぞれ実際にカルチャーを体現されている企業の事例をお聞きしました。
久保氏からの紹介事例
・ライク株式会社
どのようにカルチャーを体現しているのかを可視化する取り組みを行ったストーリー事例
https://www.talent-book.jp/like/stories/46824
・本田技研工業株式会社
各ストーリーの中に社員の言葉としてカルチャーを体現する言葉が数多く登場。
https://www.talent-book.jp/honda
青田氏からの事例紹介
・Amazonバリュー「Our Leadership Principles」
採用から評価まで、社内のあらゆる場面に仕組みとしてバリューを組み込んでいる。従業員数急増によりバリューの浸透にさらに力を入れている。
・LINEバリュー「LINE STYLE」
WOWを体現できているプロジェクトを表彰したり、社内プロジェクトや社員の想いなどを配信するイベントを行うなどバリューを「可視化・浸透」する取り組みを多く行っている。
企業カルチャーが会社ごとに違うように、カルチャーの浸透方法も様々です。ぜひ、自社にあったカルチャーの浸透方法を探して実践してみていただければと思います。
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次回のオンラインセミナー は10月7日(木)・10月14日(木)に『都心部以外での働き方改革の実態』を開催予定です。(両日とも配信内容は同じです。)
2016年に働き方改革担当相が創設以降、生産性の向上や多様な働き方の実現に向けて企業では働き方改革の促進のための活動に力を入れて取り組みをされてます。
私たちat Will Workでも様々な企業での"働き方の未来"や"取り組み事例"をご紹介して参りました。
今回はこれまでと違った「都心部以外の企業での取り組み」をテーマにしたセミナーを開催します。
実際に、都心部以外の企業では同じように働き方改革は進んでいるのでしょうか?
また都心部と違った課題はどのようなものがあるのでしょうか。
それらの課題、またその課題にどのように取り組んでこられたかについて、取り組みをされてこられた企業様にお話をお聞きし、どのように改革を進めていくべきかを考えていきます。
詳細はこちら。
https://www.atwill.work/events/2021/365/